なるほど
https://digital.asahi.com/articles/AST3S2GMNT3SUPQJ009M.html
藤田結子(社会学者)
【視点】いまも男女交際を目的とする「インカレサークル」が多く存在すると思いがちですが、そうではありません。私たちの調査からは、主に難関国立大学にそういったサークルが残っていることが示唆されました。
2021年に首都圏で「インカレサークル」に関する共同研究をしたところ、昔と違って、男女交際を目的とするインカレサークルは非常に少なかったです。約8割のインカレサークルは、入会可能な大学の範囲を限定せずに、多様な大学の学生が所属していました。
その理由は、女性の大学進学率が増えたので、インカレサークルが必要なくなったからです。あえてインカレに入らなくても、大半の私立大学では学内に女性の学生が多くいるからです。早慶も4割程度です。
今日活動しているインカレサークルの大半では、活動の主要な目的は男女交際や遊びではありません。学生たちは何をしているかというと、就活を念頭においたスキル向上を目的としてスポーツや他の種目に打ち込んでいます。学生文化の「まじめ化」「生徒化」ともいえます。
その一方で、難関国立大学にだけ、男女交際を目的とするインカレが存在していました。なぜなら女性の学生の割合がいまだ2割と少ないので、女性と交際するには学外の女性と知り合う必要があるからです。このようなインカレサークルは、入会者を特定の大学の女子学生に限定する傾向がみられました。そして、記事が指摘するような、難関国立大学>女子大学というヒエラルキーの人間関係も残っていました。
(「大学生のサークル活動への意味づけ――首都圏のインカレ・サークルを事例に」https://jss-sociology.org/other/20220930post-13598/#329)
そうであれば、難関国立大学で女性の学生の割合を、私立並みに4割以上に高めれば、このようなインカレサークルや価値観も減っていくのではないかと思います。学歴を獲得する過程で、このような価値観も内面化してしまう現状は男性にとっても不幸です。東京大学の女性比率を高めることは、社会全体にとって利点が多くあると考えます。
@odakin@social.vivaldi.net
俳句を発見しました!
『インカレに 入らなくても 、大半の』
『ありません 。学生たちは 何をして』
『向上を 目的として スポーツや』
『交際を 目的とする インカレが』