こういった「一見簡単なプラモデル」でこそ、むしろBANDAIの設計技術、造形技術、ユーザビリティ考慮の凄味が発揮されている。それぞれに特徴的なキャラデザを、カラーリング再現も含めてきれいに立体化し、なおかつ、ごく少ないパーツ数で、子供でも組みやすいように(※対象年齢は6歳以上)、さらに安全面にも配慮しつつ、そして650円という廉価で構成している。曲面メインで成り立っている可愛らしいキャラクターが、ほんの10分程度の組み立てで形になってしまうというのは、衝撃的だ。
パーツ構成も秀逸で、例えば、両目を再現する赤色パーツを裏側から取り付ける際に、その嵌め込みピン3本がホワイトパーツを表側まで貫通して、眉毛と口を表現している(※画像1枚目参照)。こういう構造的アイデアの卓抜さと、それを遊び心として取り入れてみせる余裕には、驚嘆に絶句させられる。