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プラモデル、とりわけ戦車模型では、泥の汚れや錆の表現、迷彩塗装の再現、さらには戦闘でのダメージ表現や乗員の顔の塗り分けまで、質感や重量感などを塗装によって表現する。つまり、このデジタル時代にあって純然たるアナログ美術を追求しているという興味深い分野だ。それでいて、上記のような様々な表現のために、今でもどんどん新たなテクニックが開拓され、また新たな塗料やツールが開発/発売されたりして、驚くほど緻密でリアリスティックで迫力のある模型作品が現れている。なかなか不思議な世界だ。

美少女ガレージキットなどのキャラクターものも、キャラの両目をユーザーが自力で描かなければいけない。つまり、萌えキャラの両目の、デリケートなバランスで成り立っているあの複雑な模様を、塗料と手描きで塗らなければいけない。萌えキャラのガレキを制作するには、イラストレーター並のキャラ描きスキルが必要なのだ。……むずーい。
 筆と塗料によるアナログ手描きという一見アナクロな作業とともに、最先端のジャパニーズMOE-KAWAIIキャラデザインと、いよいよ洗練されていく素肌の質感表現テクニック、そしてキャラの小物などを細やかに造形する精密キット、それらが不思議な形で融合しているのが、20年代現在の(美少女)ガレキだ。

cactus

エアブラシ(吹き付け塗装)で、きれいに平滑な塗装面を作るのも良いけれど、筆塗りに特有のアドヴァンテージも依然存在する。先程のような木目表現は、筆塗りならではの微妙なランダムぶりが、かえってリアリスティックな雰囲気を作ってくれる。あるいは、スミ入れの拭き取りの程良い乱れが、自然な汚れ表現として作用してくれる。そうやってマテリアルと直接向き合うという意味で、現代の模型制作は部分的には反時代的であり、しかも同時に今なお新技法が開拓される活発な分野であるという、つくづく不思議な世界になっていると思う。