ピエモンテの山中は第二次世界大戦の時にパルチザンがファシストと戦った戦地でもある。トリノの若者たちも山に入った。プリモ・レーヴィしかり、カルヴィーノしかり。写真は結婚式があった村でたまたま見つけたファシストと闘った戦死者の記念碑。フルネームの後にニックネームがカッコで書いてある。イタリアらしい、優しさ。
昔いた研究所の同僚は実にリベラルで頭脳明晰な女性で、父親がカルヴィーノと同じパルチザンの部隊に所属していた。カルヴィーノの「蜘蛛の巣」に登場する「大佐」がその人なのだそうである。戦後はジャーナリストになり、フィアットの自動車工場労働争議でも指導者であった。結婚は遅く、それで生まれたのが彼女である。彼女は博士号を取得後、自由を求めて、ヨット乗りになった。上の結婚式にも一緒に出席した。
あ。ニックネームではぜんぜんない。思い出した。その彼女が説明してくれたのだが、捕まった時などに尋問で部隊のメンバーの本名がバレないように、それぞれ偽名をつけてそれで呼び合っていたのだそうである。カッコの名前がその偽名だ、とのことである。
おお、カルヴイーノ『蜘蛛の巣の小道』ですか!これは懐かしい。
@yoshiomiyake はい。『くもの巣の小道』です。
今、ウィキペディアを見たらカルヴィーノはガァリバルディ旅団に所属していたとのことで、「あれ?」と思って上の写真を見直したら、ガリバルディ旅団の戦死者の記念碑、と書いてある。偶然です。