2024.10/13
真っ赤に染まったホウキグサを観に行こうと友人に誘われ、つくば海浜公園に散歩に行ってきた。まだまだこれから赤く染まるそうで、三連休の中日とはいえ来場者の人数はこれでもピークではないとその友人に教えてもらった。
帰りはタクシーで駅まで。タクシーの運転手が陽気な初老男性で、会話が弾む。しかし、
「日本は良いですよね！他の国と違って戦争が無いし！春にはネモフィラ！秋にはコキア！こうして四季があって、花が見れる！こんな国、他にはありませんよ！今度、選挙でしょ。自民党にしておけば中国に舐められないですからね。岸田さんは駄目だったけど、石破さんは軍事に強いでしょう？応援してるんです。私。」と言われ「僕は自民党になんか入れないですけどね、絶対。」と言ってしまい、妻にやめろと視線を送られた。車内は途端に静かになった。到着すると、蹣跚として歩く老人が駅へ続く階段の下で座り込み、被っていたキャップを取り裏返して地面を叩き始めた。僕は、そのキャップに人相の悪い北里柴三郎が描かれた紙幣を入れ、必死で叫びだしたい衝動を抑えるのであった。
