「地平」11月号が完成という広報を眺めて、おー、10月号もまだ読み終えていなかった、と思い出した。
「学問の自由を守れ」特集はすこし丁寧に読もうとおもっていたのに一部だけしか読んでいない。読んだ部分では、加藤陽子さんの「歴史学の立場から」というトランスクリプトは、とても短い文章だがご自身がまさに当事者である学術会議の会員任命拒否問題の要点が詰まっていて印象に残った。この問題を学術会議の無力化の策動の一部として位置づけたうえで、それに初動で抵抗し得たのは「学問が不自由になった経験が幸いにも記憶にあるから」とのことで、そこから歴史と公文書の関係、文書を追求することが次の歴史を作ることなのだ、というメッセージになっていて、いやがおうにも「健康保険証廃止の文書の不在」を思い起こしたのであった。で、加藤陽子さんはこの点でもまた、公文書管理法の立法にあたって有識者会議でかかわっているわけなのである。二重の当事者。
実に、現在進行系で、記憶の抹消と歴史の軽視が起きているのである。過去も未来もない世界を今の自民党は作ろうとしている。よほどうしろめたいのだね。
…というわけで、ケンブリッジの台湾人院生が書いてくれた文章の添削に戻るのであった。月末で終えるはずだったのにおわらん。ぜんぜんだめだー 歴史を振り返ると自分の文章を書くのに凝りすぎたのであった。