日本に再びすみはじめて「中小企業診断士」という業種をみかけてなんだそりゃー、と思っていたのだが、補助金コンサルみたいなことをしているのがだんだんわかってきた。つまり、補助金の周りには、その補助金をもらう人だけではなく、その申請事務を専門的に扱うという形で補助金の恩恵にあずかる人々もいるのであった。なおかつ、そうした補助金は、使途として「パートナー企業」だの「認定企業」だのに限定されることが多い。その業務に合った形で補助金を申請しなくてはならないということで、複雑さは輪をかけるが、こうした認定企業になるための利権構造がその背後には存在している。
つまり事務のための事務があり、このイミフメーな構造が複雑であればあるほど、その中に入ると利権、あるいは補助金がガラガラと出てくる。全体としては、なにをやっているのかよくわからない書類の山以外、なにも生み出さない。
維新の会がなぜあんなにも、意味不明な万博リングにこだわるのかと考えると、無意味な事務のための事務のための事務のための事務、という形で業務が永久回転するとそこから補助金がガラガラ出てくる、という実態は多段につらなる重層中抜きに他ならぬ円環状エセ錬金術の象徴だからではなかろーか、とさえ考えたりする。でまあ、実際その万博リング自体が、多大なる中抜きのとともに製造されているわけで、表象としては完璧に近いであろう。