『ティアムーン』のアプローチ、つまりデッドエンドを回避するように努力する物語というと、『俺の死亡フラグが留まるところを知らない』(※私は漫画版で読んでいる)も良い作品ですね。『ティアムーン』がコメディ基軸でその都度ハッピーな変化を明示するのに対して、『俺の死亡フラグ』はシリアス路線で、張り詰めた孤独さと悲愴な切実さがあってなかなか個性的です。
もちろん、これらは昔ながらの「ループもの」の文脈下にあり、そのジャンルには先行作品も多数存在しますが、しかし姫キャラのサバイバル物語だったり、ゲーム知識で問題解決していったりするあたりは、さすがに10年代半ば以降の異世界もののコンテクストからの影響も感じられます。00年代~10年代前半だと、死に戻りの試行錯誤が目立っていましたが(PC美少女ゲーム『3days』『腐り姫』『蒼色輪廻』や小説『Re:ゼロ』など)、死なないままの過去改変ドラマの方が物語としてははるかにスムーズです。
残念ながら『俺の死亡フラグ』漫画版は、途中から電子書籍版オンリーになってしまったのですが……かなり楽しんで単行本を買っていたのに……悔しい。