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例えば『フリーレン』9話のこのカット[21:40-, cf. twitter.com/Madhouse_News/stat ]は、しゃがんでからさらに腰を下げるという繊細極まりないモーションを描いている。これは写実的(現実的)にも、重心移動としてあり得る動きだが、このカットでただ重心移動を再現することそれ自体にはあまり意味が無い。
 この描写の意義は、キャラクターの振り付けであることに存すると考えたい。むしろこの1秒に満たない動きの作画は、この魔族キャラクターの悠然とした落ち着きの異様さを示唆したり、このキャラクターが他人の肉体の動きを再現していることを意識させたりするのが目的だと思われる(※このアニメ版でも、腰を下ろす描写をこんなに細かくアニメーションさせているカットは、私の気づいたかぎりほぼ皆無なので、このシーンに特有の表現だと解すべきだろう)。極端に低く屈めた上半身といい、スカートの軽さまで感じさせるような作画といい、その直前の「斧の刃先から落ちる砂」の過剰さといい、この場面の戦闘演出の一環として細やかに神経の通ったカットであり、そしておそろしく手の掛かった演出だと思う。

X (formerly Twitter)MADHOUSE Inc. on XTVアニメ『葬送のフリーレン』 第9話「断頭台のアウラ」 原画は、動画(中割り)を入れてなめらかな動きになることを最終形態として想定して描かれています。 そうした工程にも注目いただけたらと、本パートでは特別に完成ムービーと一緒にお届けします。 担当:澤田英彦さん #フリーレン #frieren
cactus

(つづき:)このアニメを遅まきながら視聴しているが、個人的に気に入ったのは、2話で主人公が魔法で本を取り出すシーン(06:58-)。書棚に並んだ本の背表紙が、順番にポロポロと落ちてくるアニメーションが、BGMの音階的な動きとぴったり合わせられていて、ピアノの鍵盤の動きを連想させる。こうした音響演出は、当然ながら原作漫画版には無かったもので、アニメスタッフ独自の遊戯的表現と言える。

漫画(原作)を読んでいるときは、むしろアニメ版はあんまり見たくない派なのだけど、今回は演出が良さそうなので、後追いで視聴している。……とはいえ、今のところは、すごく好きというほどでもないかも。確かに作画面でも力が入っているし、多用される二重写し演出も上手くハマっているし、声優陣も絶品なのだが、いや、うーん、でも、まあ、ここまでやっていてくれれば文句は無いのだが、なんとなくもどかしさを感じることがある。

先に言及したシーンは、むしろ写実的に考えるとおかしいんですよね。これから飛びかかろうとしているのに、お尻を下げている(つまり重心を下ろしてしまっている)ので。制作スタッフも当然そのことは理解したうえで、あえてこの非-写実的な表現を、しかも相当な作画の手間まで掛けて、取り入れている。だからここは、リアリズム以外の表現意図/表現効果を見出せるように解釈すべきところだと思います。